2009-01-09

英国王給仕人に乾杯!

 チェコ映画に詳しいわけではないが今評判のイジー・メンツェル監督作品『英国王給仕人に乾杯!(原題:Obsluhoval jsem anglického krále、英題:I Served the King of England)』を見てきた。
 作品の中で主人公が何度もつぶやくセリフ「幸運には不運が、不運には幸運が、いつもドンデン返しでやってくる。」を聞いてスタンリー・キューブリックの「バリー・リンドン」と「人間万事塞翁が馬」が頭に浮かんだ。
  監獄から出所した主人公ヤン・ジーチェが厳しい条件の中で新しい生活を築きながら野心に溢れていた若い頃を回想する構成は内容が盛り沢山だが、ストーリー展開は大変に分かりやすくおもしろい映画だ。
 チェコスロバキアが辿った厳しい歴史の一端を知ることもできる。
 過去を回想するヤン・ジーチェ(オルドジフ・カイゼル)と若いヤン・ジーチェ(イヴァン・バルネフ)の対比が際立って見事だ。
 ビールと豪華な食事を真ん中に置いておかしくも悲しく、日和りながらも逞しく時代に流されたヤン・ジーチェが最後にたどり着いたところは理想郷のように思えた(写真は同映画の公式サイトから拝借した)。