2010-02-19

装う神さま 本山ひろこ展

 メタル・アート・ミュージアムの重い鉄のドアを押して中に入ると黒い子豚達の出迎えを受けた。開催されている企画展「装う神さま 本山ひろこ展」は3月14日(日)まで。
 出迎えてくれた可愛い子豚も作品の一部で、豚は作家のテーマになっているのだと北詰館長が教えてくれた。
 2階に上ると天井を一面に覆う雲の下で、大きな巣に掛かった獲物を窺うかのような蜘蛛にギクリ。なるほど「雲と蜘蛛」か。
 2階展示会場の天井から吹き抜けになっている1階の天井までを覆う雲はなかなかの力作。1階受付の前と太鼓橋の辺りは雲越しの柔らかい光に包まれた心地よい空間になっている。
 談話室に入ってもう一度土ギクリ。テーブルから何か得体の知れない形状をした者が覗いている。
 『それも作品ですよ。』と笑顔の北詰館長。近づくと「アメフラシ」のプレートがあった。ウミウシともいうようだ。
 お茶を頂くときに座っているベンチに座布団を敷いて収まり、テーブルに頬杖をついているかのようなユーモラスなアメフラシに他の作品よりも親近感を覚えるのは、ベンチとテーブルを共有しているからだろうか。
 屋外展示場では凧揚げをする蛸が一匹。今度は「蛸と凧」だ。
 談話室に戻ろうとして屋根の上で空を仰いでいる5匹の猿に気付く。彼らの視線の先は成田空港を飛び立った旅客機の通り道になっている一角のようだ。
 頻繁に通りかかる旅客機を見つめているのかも知れない。

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