【今朝のPho】
細くコシのある麺と舌に甘く感じる透明なスープは魚介の出汁だろう。つみれのような白いボールは魚肉ではなく鶏肉でもない、何か知らない鳥の肉のようだった。
唐辛子は日によって辛さがひどく違う。殆ど辛味を感じない日があるかと思えば、韓国の青唐辛子のように脳天を直撃する日がある。ライムを多めに搾ると更にサッパリとしたスープになる。
宿泊しているファングーラオ通りのホテルから西南西5.5kmほどの所にある華僑が多く住む街「チョロン地区」に向かう。
グエンチャイ通りに入って直ぐに出会った中学生の二人連れ。眼が合うとはにかみながら擦れ違っていった。
チョロン・モスク、サータイ市場を過ぎた所でスナック菓子の屋台を出している娘さん。通りかかると『ハーイッ!』と声をかけられた。
こういう時に無視は禁物、こちらも笑顔で同じように返事を返さないと。特に初めての街では。
立ち止まってお母さんとのツーショットを所望したらお母さんは逃げ出してしまった。
チョロン(大きい市場の意)地区の語源になっているというビンタイ市場の向かい側歩道で大きなマスクをして果物の皮を剥いている。時々このようにバイクに乗っていなくてもマスクを着けている人を見るが、空気が悪いのだ。バイクの排気ガスの影響だろう
マスクを外した写真も撮りたいと頼んだが断られてしまった。
歩きづめだったので一休みしたいと路地路地を覗きながら歩いてやっと見つけた"Cafe Lien Phuong。
どんなモノがあるのか中に入ったとたんに舌が回りきらないカワイイ声で『ハロー』。振り返ると金太郎さんのような女の子。カメラを向けたら仁王立ちになってくれた。
歩道に並べられたイージー・チェア―にくたびれた身体を収めて足を投げ出しガイドブックを見ていると、金太郎さんが側に来てしきりに話しかけてくる。そんなに旅行者が珍しいの?
こちらは歩道に停めたバイクのシートから『ハロー』を送ってくれたお兄さん。写真を撮れと言う。お安いご用と近づくと、声をかけてきたのには下心があったようだ。椅子に掛けている女性の意向にお構いなしに隣に並んでサァ撮れと言わんばかり。
撮影しても好いのか女性に確認すると、マンザラでもなさそうだった。お幸せにィ。
わずか四五キロ離れただけなのに、チョロン地区の人達は宿泊しているホテルの周囲にいる人達と違って積極的に『ハロー』を送ってくる人が多い。ただそれだけのことなのだが…。
歩いている自分の影が薄くなったので振り返ると黒い雲が伸びて来た。おまけにヒンヤリした強い風も吹き出した。
バイクが何かに追われるように走り回る。この後間もなくスコールが来た。
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