今朝は研究社英語センターで開催されたJEPA主催のセミナー「バチカン図書館の長期デジタル保存プロジェクト紹介」に出席してきた。午前中に開催されるJEPAのセミナーは珍しい。
バチカン図書館のCTO (Chief Technology Officer and Coordinator) Luciano Ammenti さんと、システム構築をになうNTTデータの杉野博史さんのお二人によって事業の概要が紹介された。
紹介された事業の内容は大変に興味深いものだった。なかでも、Luciano Ammenti さんが講演の中で繰り返し述べておられた、デジタル化に伴う二つの大きなリスクが印象深い。
1.デジタル化したときのデータ保存フォーマット
特定企業が権利を持つ保存フォーマットを50年後、
100年後も使えているのか非常に不安である。
2.保存フォーマットを運用するシステム
特定企業によるソリューションが将来にわたって、
常に最新に保たれているのか不安がある。
100年単位のスパンでアーカイブの運用を考えているバチカン図書館が、特定(営利)企業のソリューションが将来も存続するのか、大きな疑問を持っておられることがよく分かる。
この二つのリスクを回避するためにバチカン図書館が選んだデータ保存フォーマットは「FITS」、運用ソリューションのプラットホームは「Linux」という、どちらもオープン・ソースによるものだった。
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