メタル・アート・ミュージアムでは「KAOLY個展-光の谷の風景-」(9月6日まで)が開かれている。
屋外に展示されている「UNTITLE」、焼き継いだ鉄の棒と焦げた杉板の境目が生々しい。見続けているとこちらの肌にヒリつきを覚えるのは火傷を連想するからだろうか?
屋内展示場の「木葬」を見ての第一印象『これは絶対若い女性の作品だな!』。「UNTITLE」では肌がヒリついたがこの作品では体の奥の方で鈍痛に似たものを感じるのは埋め込まれてゆく重みか?
作家はこの作品のタイトルに「葬」の字を使ったが、角度を変えて見直すと「誕生」の匂いもしてくる。これが作家の本来の狙いなのかもしれない。「UNTITLE」に感じたヒリ付きも隣り合う「生と死」に通じる主題が隠されているからだろう。
入館時に頂いたパンフレットに作家名が見あたらなかったが、メタル・アート・ミュージアムのホームページでこの個展に関する記事を参照したら、その中に今村香織さんの名前があった。経歴から察して未だ若い作家のようだ。