2014-11-05

バチカン図書館のデジタル・アーカイブ

今朝は研究社英語センターで開催されたJEPA主催のセミナー「バチカン図書館の長期デジタル保存プロジェクト紹介」に出席してきた。午前中に開催されるJEPAのセミナーは珍しい。



バチカン図書館のCTO (Chief Technology Officer and Coordinator) Luciano Ammenti さんと、システム構築をになうNTTデータの杉野博史さんのお二人によって事業の概要が紹介された。
紹介された事業の内容は大変に興味深いものだった。なかでも、Luciano Ammenti さんが講演の中で繰り返し述べておられた、デジタル化に伴う二つの大きなリスクが印象深い。

1.デジタル化したときのデータ保存フォーマット
  特定企業が権利を持つ保存フォーマットを50年後、
  100年後も使えているのか非常に不安である。

2.保存フォーマットを運用するシステム
  特定企業によるソリューションが将来にわたって、
  常に最新に保たれているのか不安がある。

100年単位のスパンでアーカイブの運用を考えているバチカン図書館が、特定(営利)企業のソリューションが将来も存続するのか、大きな疑問を持っておられることがよく分かる。

この二つのリスクを回避するためにバチカン図書館が選んだデータ保存フォーマットは「FITS」、運用ソリューションのプラットホームは「Linux」という、どちらもオープン・ソースによるものだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿