しばらく掛けていなかった"The Teddy Wilson"を引っ張り出して針を落とす。
こういう音は管のアンプで聴くのがベストだと思っているが、メンテナンスが面倒になってしまってとうの昔に手放してしまった。今はプリもパワーも石だが、それでも針先が拾う音を優しくスピーカーまで押し出してくれる。
このレコード盤に入っている音はモノラルで決して広い帯域ではないが、心に滲み込んで来る音楽はそう言う物理的な特性によるものではないという、見本のような演奏だ。
Israel Crosbyのベースが単音で刻むブルースコードに誘われるようにしてTeddy Wilsonのピアノがテーマを被せる。ピアノの後をRoy Eldridgeのトランペット、Buster Baileyのクラリネット、Chu Berryのテナーサックスが順にベースの上でブルーノートを紡いで行く。イントロで4小節続くベースソロのカビ臭い哀調が強く印象に残る曲だ。曲名は"Blues in C Sharp Minor"、なんとも味気ない曲名のA面最初のトラックは1936年5月14日にシカゴで録音されたものだ。。
このレコード盤とはTeddy WilsonがBrunswickレコードに残したセッション(殆どが長い間に散逸してしまった)をCBS SONYが収集して2枚組のLPに纏めて1970年に復刻発売した"The Teddy Wilson / Brunswick"だ。
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