2021-02-12

私は確信する

2000年にフランスで起こった「ヴィギエ事件」を題材にしたお勧めの作品。
2000年2月27日、日曜日。フランス南西部に住む女性スザンヌ・ヴィギエが失踪し、夫のジャック・ヴィギエ(ローラン・リュカ)に殺人容疑がかけられる。しかし明確な動機がなく、スザンヌの遺体も見つからなかったためジャックは証拠不十分で釈放される。
2009年、ジャックに対し殺人罪を問う裁判が始まり、メディアは連日、この事件をセンセーショナルに報道する(無罪になったのに再裁判というのがフランスの司法制度にあるのだろう)。
ジャックの無実を信じ、彼の家族に寄り添うシングルマザーのノラ(マリーナ・フォイス)は、敏腕弁護士エリック・デュポン=モレッティ(オリヴィエ・グルメ)に弁護を依頼し、自らもデュポン=モレッティのアシスタントとなって事件関係者による250時間におよぶ電話の通話記録から、ジャックの無実を立証する会話を探す。
ラストのデュポン=モレッティ弁護士の最終弁論は圧巻。メディアの過熱報道に煽られ、警察の先入観による捜査を危惧し、推定無罪が踏み躙られてはならないと訴える。いささか演技過剰というか演出過剰というべきか、冷静なデュポン=モレッティ弁護士がここでは熱すぎる。

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