2007-03-04

盤錦 (5)

 夜半から吹雪き。中国東北地方を襲った56年ぶりの大雪だ。飛行機も列車も止まり高速道路も封鎖されているとニュースが伝えている。
 街のあちらこちらから春節を祝う爆竹の音が響いてくる。昼過ぎに于くん宅でも吹き込む雪にもめげず窓を開けて『バチ・バチ・バチ・バチ〜ッ』。その後、白玉を一回り大きくしたゴマ餡入りの団子と餃子を頂く。
 その吹き降りの中を于くん一家と夕食に出る。未体験の寒さの中、背中を風混じりの雪に押されながら電飾の消えた暗い道を進む。
 こんな吹雪の日では店も開いていないのではないかと于くんと話しながら雪の中を歩いたが目指すモンゴル料理レストラン「牧羊人」は営業していた。ここはモンゴル人が経営し、材料を現地から調達しているこの界隈でも評判のレストランだそうだ。驚いたことに店内には少ないが既に客がいた。
 先ず頼んだのが馬乳酒ならぬ牛乳から作られた白酒「金張」、52度。今夜は于くんのお父さんと二人でこれを空にするのか〜、鍛えられる。
 右の皿にのっているのはニラに唐辛子をかけて焼いたもの。実にジューシーで日本では食べたことがない美味さだった。左の皿はどじょうインゲンを焼いたものでこちらもいける味だった。羊のもも肉やすね肉を焼いたものは野性的でいかにも滋養がありそうだ。
 店内の壁にはチンギスハーンの業績がモンゴル文字で語られていた。