往年のプリンシパル、ルドルフ・ヌレエフが1961年にキーロフ・バレエ(現マリインスキーバレエ)の一員としてパリを訪れてからフランスに亡命するまでの五週間の話。ヌレエフ(オレグ・イヴェンコ)の芸に向き合う妥協の無い姿勢が権威にもおもねない傲慢で我が儘な性格と誤解され、彼のパリでの行動はKGBにその一部始終を監視されることになる。ホワイト・クロウはヌレエフの幼少期の渾名。
次の公演地へ向かうバレー団員の中から一人ルドルフのみが帰国を命じられる。この空港での終盤はスパイ・サスペンスものを見ているようでヌレエフの亡命までのシーンが生々しい。
ヌレエフのバレーに対する強い思いとその個性がしっかりと描かれており、彼が亡命するに至る強い気持ちの流れも分かりやすく、踊りのシーンも楽しめる好い作品だった。
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