2007-07-13

自伝

 二度目の職場は公共事業関連の業界新聞社だった。当時の社長が傘寿を記念して著した自伝を贈ってくれた。自伝ばやりだと聞いたことはあるが、この一冊に大先輩の80年間が詰まっているのかと思うと粗略に扱えない。
 自伝にも出てくるがその業界紙の初代編集長が作家の黒岩重吾氏。私が就職したときは既におられなかった。また朝日新聞社のカメラマン藤木高嶺氏の名も出てくる。藤木高嶺氏は現大阪国際大学文化人類学名誉教授。黒岩重吾氏には直接お会いしたことはないが、在職中に藤木高嶺氏の日焼けした精悍なお顔には何度かお目にかかった。物静かなお人柄と優しい眼差しが思い出される。
 彼の人生、此の人生が流れ過ぎる時間の中で交差してゆくのを見た気がした。