2010-04-30

上海(2)

 北京北路が兪涇浦(紅口クリーク)を渡る橋が横浜橋でその先200m程の左手に西湖飯店がある。
 北京北路を隔てて西湖飯店の真向かいに見落としてしまいそうな暗くて細い露地があるのでとにかく奥に進む。
 路地の奧に建つこの赤煉瓦の建物が日本の活字発祥の歴史と深い関わりを持つ「上海美華書館」ゆかりの「旅滬広東富吉堂」だ。
 入り口の守衛さんの話によれば上海万博を控えた昨年、きれいに改修されたのだという。確かに小宮山博史さんが書かれた「日本語活字ものがたり」(誠文堂新光社)63ページに掲載されている写真とは少し趣が異なっている。
 旅滬広東富吉堂の一部は現在も使われていた。路地伝いに一番奥まで進むと戸が開いたままの部屋から美味そうな匂いが漂ってきた。のぞき込むと厨房になっている。
 先ほどの守衛さんに聞いたらこの建物には食堂はないという。近くの小学校の給食でも作っているのだろうか。
 旅滬広東富吉堂の左手は現在の四川北路小学校のグラウンドになっているらしいが、実はここに「上海美華書館」の印刷工場が立っていたらしい。正面は旅滬広東富吉堂。
 旅滬広東富吉堂探訪がスムーズに実現したのは前出の小宮山さんの著作に追うところが大きい。
 また、ここに書いた旅滬広東富吉堂にかんする記録も同書からそのまま孫引きさせて頂いている。

0 件のコメント:

コメントを投稿