2011-02-26

池田忠利 展

 Kuwasawa 2011を見た後は「池田忠利展」を見に原宿から人形町に移動。甘酒横丁を浜町公園まで抜けて新大橋通りに出れば会場の「ギャラリーA/N」までは人形町駅から10分ほど。
 会場は文字通りの"SCRAP WONDERLAND"の世界。久々に池田くんの近況を聴くことができた。
 カラフルな作品が多い中でモノトーンの二点に惹かれた。
 ◆人魚伝説
 ◆パールフィッシュ

Kuwasawa 2011

 母校の平成22年度卒業生作品展「Kuwasawa 2011」が校舎を会場にして開催中(2月27日まで)。
 ◆かなフォント「吉祥体」/愛川絵璃奈(浅葉克巳ゼミ)。
 『吉祥体というひらがなフォントを作成しました。柔らかく丸味のある書体です。漢字に丸明オールドを使用し、吉祥体得見ました。(会場パンフレットより)』
 ◆DRIP & DROP/藤井菜摘(藤原敬介ゼミ):左
 『水と光で日常を少し変える、その変換装置を私は"フィルター"とした。いつもと同じ空間がいつもと違って見えるはず。(会場パンフレットより)』
 ◆a hanger?/佐藤有紗(藤原敬介ゼミ):右
 『ハンガー = 掛ける道具、それをハンガー = ランプシェイドはどうだろう? ハンガーの線と色の重なりが照明という形で新たに存在する。(会場パンフレットより)』
 ◆君だって電気信号(部分)/岡本崇大(内田繁ゼミ)
 『普段の生活は電気信号に囲まれているけど意識しない状態を可視化しました。(会場パンフレットより)』

モンスーンカフェ

 母校の今年度卒業生の作品展を見る前に「モンスーンカフェ」の「モンスーンセット」で腹拵えをする。
 フレッシュ・オリエンタルアイスティーはライチのような香りがする。
 ヴェトナム風生春巻き「ゴイクン」はフワッと巻いたサンチュのような葉にエビを添えライスペーパーで太巻きほどの太さに巻いてある。特製タレ付き。
 前菜に選んだのはパンに海老のすり身をのせてトーストにした「タイ海老トースト」。
 パリンと揚がったパンと海老の風味が甘辛酢タレでさらにピリンと引き立てられる。
 主菜の「ガパオ炒めご飯 フライドエッグのせ」のガパオ炒めは鶏肉。ご飯はタイ米。
 見た目以上に量があり、やっとの思いで完食した。
 週末だからなのか、ランチタイムを外れた時間帯だったからなのか店内は空いていた。
 エスニック料理と銘打っているが全ての料理にタイやベトナム料理に特有のパンチがない。
 上品な味と言えばそうなのだろうが、エスニック料理を標榜するのならパンチ不足だ。
 モンスーンセット1,500円。

2011-02-23

台湾まめ板

 台湾土産のまめ板。
 飴で固めたピーナッツの上に乾燥させて刻んだ香草(シャンツァイ/パクチー)がのっている。さぞかし台湾の味かと思いながらひとかけら口に入れた。
 刻まれた香草がモソモソしたが、香草の香りは全くしなかった。乾燥させた香草がのっている理由が分からない。

2011-02-22

ハバティーニ

 今年最初のハバナ・マティーニ、昨年の暮れ以来のBlossomだ。
 開店間もない店内は他に客はいない。
 カウンターの花瓶に活けられた花に交じるフリージアから、鼻先に甘い香りが漂ってくる。
 今日の写真は携帯電話機のカメラで撮影したもの。

2011-02-18

満窪篤敬 展

 今年も「満窪篤敬 展」が吉祥寺のリベストギャラリー創で開催されている(2月23日まで)。副題は「黒いスケッチブックシリーズ 15」。
 画廊の五日市街道側に嵌め込まれた大きな一枚ガラスが会場内を自然光で満たしている。
 会場内に満窪さん自筆の展覧会告知がイーゼルに掛かっていた。
 油彩作品「ポマルツオ郊外(イタリア)」の色使いはパステルのような満窪ワールドそのもの。
 他にご存じ猫シリーズと初期の作品「鳥」も出展されていた。
 今は日光鬼怒川に居を置く満窪さん、都会に出るのはこの個展の前後だけとか。話を伺うと絵に描いたような悠々自適の日々を送っておられるようだ。

2011-02-13

アナログ・オーディオ

 「金子雄生ソロ・ライブ」会場を後にして阿佐ヶ谷駅近くまで戻って、入場料を払っていないことに気づき慌てて引き返す。
 会場の"CAFÉ LE VIOLON"には、まだ演奏の余韻に浸っている人達がが残っていた。
 VIOLONオーナーの寺元さんが折角だから特別に蓄音機をかけようとおっしゃってくださった。
 演奏中の雄生くんの背後に鎮座していたのは、やはり"Victor Victrola Credenza"だった。このCredenzaは最後の製造年になった1925年製で、翌1926年には電蓄に取って代わられることになる。
 かけてくださったSPはフランス盤 Édith Piaf(エディットピアフ)の"Hymne à l'amour"(愛の賛歌)と、もう一枚ピアノ演奏は誰の演奏だったかメモし忘れてしまった。
 SPレコードはShort Playの略ではなくStandard Playの略ですと寺元さん。スクラッチ・ノイズが宿命のように言われているSPレコードの再生だが適切に管理されたものはノイズとは無縁だと寺元さんは力説する。
 確かにエディットピアフは生々しくて凄かった。
 針を竹針に変えてターンテーブルに載せられたピアノのレコード盤からは透明感のある音が再生され、その場にいた人達からは何度も感嘆の声が上がる。
 毎月第三日曜日午後6時から、ここ"CAFÉ LE VIOLON"でSPレコードの鑑賞会が開かれている。
 正面のスピーカーや店に並んだ真空管アンプに興味を示したせいだろう、帰り際に寺元さんがスピーカーのカタログをくれた。
 スペシャル・サウンド社のスピーカーカタログだ。今は製造も在庫もない幻のスピーカーだ。
 実は、と言いながら「元々はスピーカーコーン紙を作ってたんです」と寺元さんが明かしてくれた。なるほど、そうだったのか。このスペシャル・サウンド社、寺元さんの会社だったのか。

金子雄生ソロ・ライブ

 中央線阿佐ヶ谷駅北口を出て左折、ガードに沿って戸を開けてみたくなる店が並ぶスターロードを奥へと進む。
 更に奥に進むと周囲は住宅地に変わる。目的地は「金子雄生ソロ・ライブ」会場の"CAFÉ LE VIOLON"。
 入口からしてアンティークの匂いに包まれた古き良き時代の喫茶店か?
 店内は空気そのものがアンティーク。
 すっかりこの雰囲気に溶け込んでいる雄生くん、楽器を持ち替えながらのインプロビゼーションで時間を紡いで行く。
 雄生くんの後ろに鎮座しているのはもしかしたら"Victrola Credenza"か。その後ろはバッフル・ボードのみのカスタム・メイド・スピーカーが並んでいる。
 スピーカの上に置かれているホーンは蓄音機のものだろう。
 後半はプログラムになかった詩人の条田瑞穂さんとのコラボレーション。
 条田さんの魅惑的な声が綴る彼女の作品「銀の月」がアフリカの民族楽器「Donso n'goni」と絡み合う競演は好かったなぁ。
 続けてもう一篇、条田さんがお好きだという吉原幸子さんの作品「日没」が紹介された。
 この会場でこのライブ演奏、楽しい時間だった。

2011-02-08

タイポグラフィの世界(4)

いつからメジャーな飲食店街の仲間入りをしてたのか神楽坂。
お洒落な店が建ち並ぶ神楽坂は地図には早稲田通りと記されている。

神楽坂交差点で大久保通りを左折。しばらく行くと大久保通り右側に神楽坂シアターイワトが見えてくる。

シアターイワトで開催されるトークショー「明るいブックデザイン 平野甲賀、自作を語る」は連続セミナー「タイポグラフィーの世界」の一環で、今夜が四回目。
出演者はブックデザイナーの平野甲賀さんと日下潤一さん。
平野さんが晶文社で行ってきたブックデザインの数々を、その時代背景とともに語るという企画で、聞き手はもちろんこれもブックデザイナーの日下さん。
冒頭、劇団・黒テントの俳優・斉藤晴彦さんが平野さんの著書「僕の描き文字」(みすず書房)から数ページずつを抜き出して朗読した。
プログラムにはなかったこの朗読の仕掛け人は日下さん。

日下さんが平野さんの代表的な作品を時間軸に沿って紹介しながらプログラムは進む。
ブックデザイナーである日下さんならではのインタビューが、一つ一つの作品が何故そのようなデザインになったのか、それぞれの時代背景や裏話もからめて平野さんから引き出して行く。

10分間の休憩を挟んだ後半は、再び斉藤さんの朗読で始まる。
朗読された本は津野海太郎著「平野甲賀とともに」(本の雑誌社)。平野さんと晶文社の出会いの部分が紹介された。
後半は斉藤さんも交えてブックデザインから芝居のポスターと芝居の話に移る。圧巻は「喜劇 阿部定」のポスターが紹介されたときで平野さん、斉藤さん、日下さんの語りが熱くなった瞬間だ。

会場内の壁に貼られているのは夥しい数の平野さんの作品のデジタルプリントアウト。トークショー終了後、希望者が自由に剥がして持ち帰って行ったのは主催者の好意。
この日も120人席の会場は用意された補助席も含めて満席だった。

2011-02-03

月亮門

 2月2日(水)から4日(金)まで「PAGGE2011」が池袋サンシャインシティ・コンベンションセンターで開催されている。
 会場で目についたのは電子書籍に絡んだ展示の多さだ。PAGEといえば印刷機材と周辺ソフトウエアの展示会だが、印刷業界にとっても普及すれば紙への印刷の仕事が減る電子書籍の波は無視することが出来ないのは当然か。
 今年も新書体発表をメインにした勤務先のブースは黒壁に穿った「月亮門 (Yueliang Men)」が印象的だ。
 同業他社のブースは波に乗れと言うことか、電子書籍用の端末を並べていた。なるほどそういうアプローチもあったか。
 天井が低い会場では人出に舞うホコリと濁った空気で毎年ノドを痛めてしまう。