八丁堀「七針」は気をつけないと見落としてしまいそうな場所にある。
理髪店の角を曲がって「オリエンタルビル」と染め抜かれた青いヒサシがついた入り口から地下に降りると、そこが「七針」だ。
今夜のプログラムは「金子雄生 Solo Vol. 1」。
早めに会場に着いたら雄生くんが一人音出しに集中していた。初のソロ・ライブなのにストレスもプレッシャーもないようで、『この会場、音の響きがいい。』と一言。
自称「トランペット奏者」のライブはマルチプレーヤーとしての彼の面目躍如。
最初の演奏は草原の夜明けを思わせる出だしから、一気に30数分を吹き抜けた凄い演奏だった。
最後の演奏のその最後に、古い友人だという清水達生さん(ドラマー)が韓国の太鼓「チャンゴ」で雄生くんとセッション。
夜明けで始まったライブが深更に及ぶ熱い祭りで終わるという心憎い演出で、雄生くんにとっては不本意なアンコールの拍手が続いたのだった。