正月と夏は毎年、飯野(佐倉市)の母の実家に預けられていた。
木登りを覚えたての頃はとにかくおもしろくて手当たり次第に登った。裏山の畑の脇に柿の木の林があったのだが、この林で柿の木に登ってみるととても登りやすいのだ。
伸ばした手の先に枝があり、踏ん張ろうと思う足元に枝がある。上の方まで登り折れた枝と一緒に落ちて息を詰まらせ、叔父に酷く叱られたことがあった。柿の木が大変に折れやすいので、あまり上の方まで登るなと叔父からやかましく言われていたからだ。
スーパーの棚に柿の木が並んでいるのを見るとこの時の記憶と一緒に、ずっと自分を可愛がってくれた先日亡くなった叔父を思い出す。