あからさまにフィクションだと言っているスクリーン上の映像は活字を読まされているようで、硬質な三時間だったがそれを長いと感じなかった。
舞台俳優で演出家の家福悠介(西島秀俊)は、愛する妻の音(霧島れいか)と満ち足りた日々を送っていた。
音は秘密を残して突然この世からいなくなってしまうが、それから二年、広島での演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバー渡利みさき(三浦透子)と出会う。
みさきと共に愛車で北海道に向かった家福はみさきから暗い過去を明かされ、気付くと家福も目を背けてきた音との確執を語っていた。
劇中劇として挿入されている多言語によるチェーホフの戯曲「ワーニャ伯父さん」の登場人物が、家福やみさきに重なる。
村上春樹の短編集『女のいない男たち』に収められている同名作品他が原作。第94回アカデミー賞国際長編映画賞と第74回カンヌ国際映画祭脚本賞他をそれぞれ受賞している。
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