ULTRASONE PRO2500をじっくり聞いてみた。記憶に頼るしかないのだが、嘗て手元で使っていたStaxのSRD-7と組み合わせたSR-X Mk IIの音より芯がしっかりしているようだ。かなり長時間聴いたがヘッドホン特有の音による疲れもない。装着感も良い。
1970年代初頭のことだっただろうかLPレコードの2トラックで、今で言うサラウンド効果を狙ったSQ 4-Channel(Columbia、CBS Sony)やQS 4-Channel(SANSUI/SQ方式とQS方式の両方があった)録音などというLPが出てきた。それぞれ専用アンプが必要だった。そんな中でPhilipsがPhon-Aural(フォノラル)録音というLPを出してきた。レコードジャケットのライナーノーツにフォノラル録音はステレオではなくバイノーラルというものだと書いてある。ダミーヘッドの耳に仕込んだマイクロフォンで録音した音をヘッドホンで聴く、専用アンプ不要のサラウンド再生音を実現した方式だ。
これらのLPを再生すると音源によってはヘッドホン・ハウジングの外で音がしているように聞こえるという触れ込みだったが、ついぞ前述のSRD-7 + SR-X Mk IIでは体感することがなかった。
1970年代を懐かしみながらPhilipsのフォノラル録音によるLPをターンテーブルに載せてPRO2500で聴いてみた。なるほどマーチングバンドが演奏しながら頭の後を通り過ぎ右手に回ってきた。何を狙ったLPなのかがはっきりと伝わってくる音だった。
CDも何枚か聴いてみたがLPレコード盤の音を聞いた直後ではCDの音が平坦で薄っぺらに聞こえた。この傾向はスピーカーを鳴らしても感じることなのでULTRASONE PRO2500、そこそこの力は持っているようだ。