日本バーテンダー協会創立80周年になる今年の「全国バーテンダー協会 技能競技大会」で興奮してきた。
学科、フルーツ・カッティング、課題カクテル、創作カクテルの各部門で知識、技術、センス、アイデアなどが審査され、バーテンダー日本一が競われる。選手は各地区の予選を勝ち上がって来た40名のプロフェッショナル・バーテンダー達、会場は新宿「京王プラザホテル」の「 コンコードボールルーム」。
学科とフルーツ・カッティングは非公開で、観戦できたのは課題と創作のカクテル部門。
カクテル部門の競技が始まって直ぐにフルーツ・カッティングの競技結果が会場入り口前に並べられた。この競技はカッティング技術、盛り付け、商品価値などが評価のポイントになっている。
写真はBlossomの野口さんのフルーツ・カッティング作品。「オルタンシア」は彼女が今回エントリーした創作カクテルの名前。
12時半から始まったカクテル部門の競技も4時半過ぎになってようやく最後の競技者達の出番になった。
創作カクテル部門でシェーカーを振る野口さんはエントリーナンバー40番で最後の競技者の一人だ。
競技後6時から始まった懇親会は1,000人を越える参加者達の、競技結果の発表を待ちわびる熱気でいやが上にも盛り上がっていった。
左端の二人はBlossom仲間のThomas Parr夫妻。
ざわついた会場に最初の入賞発表アナウンス「ベスト・ネーミング賞はエントリー・ナンバー40番です。」が流れてのっけからのけ反った。40番は野口さんだ。「オルタンシア(Hortensia/アジサイ)」が入賞だ。Blossom応援団のテンションはこのアナウンスで一気に上がった。
写真は「オルタンシア」。量が減っているのは応援団が口をつけてしまったから。「美味しいねオルタンシア!」
レシピは
ドライジン(25ml)
ピーチ・リキュール(25ml)
ラベンダー・シロップ(10ml)
フレッシュ・ライム・ジュース(10ml)
ブルー・キュラソー(1tsp)。
デコレーションもフルーツで作られている。
実はのけ反るのはまだまだこれからだった。続いて発表されたフルーツ・カッティング部門で、またしてもコールされた「エントリー・ナンバー40番」。このコールは部門第3位を告げるものだった。
これだけの成績でも応援団はのぼせ上がっているのにもっと凄い結果が待っていたのだ。
初出場の40番を応援に来ているBlossom応援団の一角をほとんど収支がつかない状況に陥れたのが、創作カクテル部門第1位発表の瞬間だった。この日3回目の「エントリー・ナンバー40番」のアナウンスで、ステージ上の野口さんも顔をゆがめている。一緒に応援していたBlossomのスタッフで野口さんの練習をサポートしてきた知念さんも岡さんも涙で顔がくしゃくしゃ。
創作カクテル部門表彰式で込み上げてくるものを押さえる右から1位の野口さん、2位の耳塚さん、3位の田畑さん。
そして最後の総合順位の発表によって大会運営スタッフがBlossom応援団を鎮圧するために出動することになってしまった。
なんと全国大会初出場の「エントリー・ナンバー40番」が総合順位でも居並ぶ先輩諸兄姉を抑えて第3位に入賞してしまったのだ。この結果に興奮しなくて何が応援団なんだ!
「野口さん、ベストネーミング賞、フルーツ・カッティング部門 第3位、創作カクテル部門 第1位、総合 第3位、おめでとう!」
総合入賞者の表彰式で困ったような顔をしている左から「エントリーナンバー40番」嬢と第2位の山田さん、第1位の田畑さん。
第1位の田畑さんは来年の世界大会に日本代表として派遣されることになっている。
「田畑さんおめでとうございます!」
大会後、会場近くの居酒屋で開かれたBlossom応援団の慰労会でも興奮が冷めることはなかった。
下の写真は当日の大会プログラムと一緒に配布された創立80周年記念ピン・バッジ(シェーカーの形に"80th"と"NBA"が刻まれている)と携帯電話ストラップ(メダルの周囲には"NIPPON BARTENDERS ASSOCIATION"が、中央のシェーカーには"NBA"と"80th"が、シェーカー・ボトム部のペナントには"since 1929"と刻まれている)。